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by Custom-Junkie
SIMPSON M30 リペア
b0152341_1121322.jpgこれが、リペアベースのヘルメット「SIMPSON M30」です。


外装は、結構きれいですが、リペイントされていますので、本来のカラーでは無いようです。


すでにオリジナルカラーでは、ありませんので単色で、ペイントまで行います。


シールドもオリジナルではなく、別のヘルメットのシールドから切り出して製作されています。

b0152341_1132256.jpg内装は、耳から首にかけてのパットは、完全に中のスポンジが崩壊しています。
他の部分は、崩壊まではしていませんが、へたっている状態です。

b0152341_1143214.jpgヘルメット自体は、E型クランプを使用したシールドの取り付け
小型ブランドロゴステッカー
チンストラップの当てが合皮製
以上の事から、
70年代製造品のオリジナルタイプだと思われます。

80年代の自社復刻物は、現状のブランドロゴと同等の大きさになり、ストラップの当てが本革製で、製造年月とブランドロゴが、箔押しされています。

これとは別に、もう1つ所有する80年代物の M30と、見比べた相違点です。

b0152341_1155228.jpgでは、内装リペアの為に、バラシ作業からです。


まず、ストラップの取り付け金具を削り、外します。

画像のように、かしめて取り付けられているので、削るしか外す方法は、無いと思います。

私は、何時もドリルで削り落とす方法で作業しています。

この時本体を極力傷つけない様に、注意して作業してください。

これが外れれば、チョッとコツは要りますが、内装は意外と簡単に外せるはずです。

b0152341_1165594.jpgこんな感じです。



ペイントまで行うので、外せる物は極力外した方が、作業性が上がります。

マスキングの手間も省けます。

b0152341_1174894.jpg次に、内装品から、古い内装の生地を剥ぎ取ります。




新しい内装生地の形取りをしますので、破いたりしない様、慎重に剥いでください。




剥がした後は、発泡スチロールの帽体の外周の接着剤の跡を、軽くペーパーなどで馴らしておくと、後で、新しい内装の接着が付き易くなると思います。



b0152341_1185142.jpgこの剥がした内装生地から、内装に使用する生地に形を取って使いますが、生地自体は、自分の好きな物を使用して下さい。
多少、伸縮があり、吸湿性がある方が、内装としては、相応しいとは思いますが、そこは自由です。
せっかく自分でリペアするのですから、ここは、個性の見せ所ですので、色々チャレンジしてみるのも良いかも知れません。

b0152341_1194568.jpg私は、無難な黒で伸縮性の高い生地を使用しました。






発泡スチロールの帽体に貼られていたオリジナル内装の生地から型取りをし切り出します。


スポンジも同じく帽体のオリジナルから型取って切り出した物です。


生地もそうですが、スポンジの方も劣化したオリジナルから形を取れそうなら、その方が簡単確実です。

b0152341_1203826.jpgあとは、このスポンジと生地を、画像のような状態でミシンで縫い付けます。

手縫いで出来るかどうかは微妙ですので、ミシンを推奨します。









ここで出来た、2つのパーツの両端を縫い付け、1つの筒状のパーツにすれば、完成です。

b0152341_121395.jpgこんな状態になります。

b0152341_1223724.jpg次は、耳から首にかけての部分の内装パットです。





これらも、同様にオリジナルのパーツから型取り切り出してください。





ここで、1番微妙な物が、この樹脂の部品です。

同じ様な素材が見付けられず、結局、バインダーケースの素材を使用しました。
勿体無いですが、気休めに100円ショップの物を使用しました。

b0152341_12338100.jpg
今回、このパーツのスポンジだけは、完全に崩壊して無くなっていましたので、ヘルメット本体の首の部分から曲線の型を取り切り出しました。

b0152341_1243311.jpg




このパーツの製作が1番手間がかかると思います。

画像の様に、樹脂パーツに生地を縫い付けます。





そしてその生地を縫い付けた側に、樹脂パーツの曲線に沿って両面テープでスポンジを貼り付けます。

最後に、縫い付けた生地でスポンジを巻き込み、固定して完成です。








以上、3点で、内装のパットのパーツは完成です。

b0152341_1252573.jpg
後は、発泡スチロールの帽体に、造っておいたパーツを貼り付けます。

貼り付けは、帽体の外側に、接着剤を薄く塗り、内側から外側へ向け出来るだけ皺が出ないように貼り付けます。
私は、乾燥するまで、マチ針で固定しています。

b0152341_1261554.jpg今回は、ついでにストラップも作り直しました。

オリジナルは、合皮の部分がボロボロになっていたので、本革にグレードアップ?しておきました。








一応、革でも薄いものであれば、家庭用のミシンでも縫えます。

今回は、全てミシン縫いです。

以上で、内装のパーツは全て完成、後は、塗装を終えたシェルに組み込むだけです。



b0152341_127449.jpg組み込み前にシェルの塗装も行います。既にリペイントされており、オリジナルではないので、自分好みの色に再ペイントして使用します。

色は、同じ黒でも良かったのですが、同じ色なら塗る意味も余り無くなってしまいますので、あえて違う色に。

ですが、派手な物は、好みではないので、単色のソリッドカラーで、さらに何にでも合う色と言う事で、白に塗ってみようと思います。

塗装に特別な物は使用せず、画像の様に、一般に売られているSOFT99のカーペイントを使用しました。

クリアは、ウレタンタイプなので、仕上がりも綺麗で、ガソリン等にも耐性があり、お勧めです。

b0152341_1275578.jpg私は、ベランダにて塗装作業をしますので、簡易ペイントケージをダンボールとレジャーシートにて作成して使用します。

塗装の下準備ですが、画像のようにシェル本体を全体的に艶が無くなる程度まで#800~#1000位までの耐水ペーパーで、磨きます。

塗装の下地の処理は、サーフェサーと言う、処理剤を使って行いますので、ここで、元の塗装の下地まで削り出す必要は無いと思いますが、角部分などの塗装がのりにくい部分は、若干丁寧にペーパーがけしておいてた方が良いと思います。

外せないパーツ等がありましたら、マスキングテープでしっかりとマスキングを施してください。
また、アルコールや市販のペイント脱脂スプレー等で、しっかり脱脂をしておかないと、ペイントがのり難いので、注意してください。

b0152341_1285320.jpg今回は、白に塗りますので、下地の処理には、通常のサーフェサーではなく、ホワイト専用のホワイトプラサフを使用しました。
通常の物がグレーなのに対して、こちらは、若干白味が強い色になっています。

ここで、サーフェサーを乾燥させた後、#1500程度の耐水ペーパーで、面を整えておき、本塗りに入ります。

b0152341_13048.jpg本塗りで、もし、塗装中に塗料がタレたりした場合でも、乾燥を待ち耐水ペーパーで、面出し後、やり直しが効くので、焦らなければ、大丈夫だと思います。
焦ると余計に酷くなったりしますので…慎重かつ丁寧が基本です。

再塗装の注意事項ですが、修正部分のみではなく、全体的に均一になる様にペーパーがけした後、行って下さい。

無事、本塗りが終了しましたら、乾燥後#2000~コンパウンド位までで面を整えて、クリアーを塗装して完成です。


ウレタンクリアは、通常の塗料より乾燥期間を長く見ておいた方が良いと思います。
5日~1週間程度が適当だと思います。

以上で、シェルの塗装は終了です。

ここまで来れば、もう完成は目前です。

既に完成している、内装と最初に外した外装パーツ類等の組み込みを残すのみです。

ここで、リペアを完成させる上で、必需品のデカールについて触れていなかったので、追記したいと思います。
一般的には、ステッカーと言う方が分かり易いかもしれませんが、ここでは、あえてデカールと呼ばせて頂く事にします。
b0152341_132081.jpgオリジナルの物がしっかりしていれば、それを使うのがベストですが、使えそうではない場合、私は、自作しています。
市販で売られている場合は、そちらを使いますが、古いロゴマーク等は、まず見つからないと思いますので、自作の方が簡単です。

ここで、注意点ですが、これから紹介する方法は、あくまで私と同じPCのソフト環境にある場合ですので、それ以外の場合、操作方法等や、存在しないデータ等の相違点がある場合がありますので、最初に了解しておいて下さい。

当方のPC環境は、
OS;XP SP2(アップグレードではなく初めからSP2バージョンのXPです)
使用ソフト;イラストレータCS3(こちらもアップグレードではありません)
です。

これから紹介する方法は、私個人の作成方法ですので、もっと簡単に出来る方法もあるとは思いますが、参考までにと言う意味ですので、突っ込みは無しで、お願い致します。

最初に、オリジナルのデカールを採寸します。
このロゴは、65mm×17.5mmでした。


b0152341_1333336.jpg私は、あらかじめ、このサイズで設定してしまいます。
こうして置けば、データ完成後にリサイズしなくて済むからです。

また、見た目一般的なフォントで似たような物がありそうなので、文字入力で類似フォントを探して使用してみたいと思います。
フォント編集が、最も手っ取り早いと思います。

b0152341_1361416.jpgImpactというフォントの字体が、最も近いので、それを使用し編集して行きます。

普通にキーボードでSIMPSONと入力










入力した文字を選択した状態で、変形のシアーで、文字に角度を持たせます。









するとこんな感じになります。


b0152341_1372787.jpgこの状態では、選択してもアンカーポイント等は表示されない為、ただの文字データでしかありません。



この状態では、詳細な編集は出来ないので、図形データとして認識させる為に、メニューの書式の項目で「アウトラインを作成」を選択します。

すると画像のように、アンカーポイントが表示され編集作業が可能になります。
b0152341_1384091.jpg

このままだと、図形が1つのグループの状態になっています。






このグループを選択した状態で、オブジェクトの項目で、グループ解除を選択すると、文字の一つ一つが、個々の単位でパスに分かれます。






以上を実行すれば、画像のように表示されているはずですので、個別に編集作業を進めていきます。


b0152341_1395974.jpgオリジナルのロゴと比べると、Pの文字の形状が大きく異なっているのが分かると思いますので、編集してみたいと思います。

文字の形に添って、点が打たれていると思いますが、これをアンカーポイントと呼びます。
これを使い、図形を編集していく事になります。

Pの曲線部分を、ロゴと同じ様に、延ばしてみます。

アンカーポイントの1つを選択して、思った場所に移動させます。

この作業を繰り返し、画像の様に、曲線部分を引き延ばし編集ました。

この様にして、各文字を、ロゴの文字に近付けていく作業をして行きます。


b0152341_141497.jpg次は、ロゴの周りのフレームの部分です。



こちらは、もっと簡単です。






デカールのサイズの四角形を描き、文字と同様に、シアーで角度を持たせて置きます。

b0152341_142827.jpg
あとは、四隅にRを付ければ完成です。

付け方は、角の頂点の両辺に、アンカーポイントを追加します。










頂点のアンカーポイントを選択し、内側にずらし込みます。











頂点のアンカーポイントにハンドルを表示させ、曲線にします。
これを4隅で行えば、完成です。


b0152341_1433749.jpg


ここで、先に造った、ロゴデータの色を白に変更し、このフレームより前面に持ってくれば、デカールのデータの完成です。


これをプリントして、デカールとして使用する事になります。

b0152341_1445277.jpg最後に、オリジナルと自作を比べてみます。
多少、修正の余地はありますが、この様にして作成すると言う事が、お分かり頂ければ問題ありません。
実際に使用する際は、心行くまで修正して下さい。




b0152341_1461863.jpgそれでは、リペアの終了した内装パーツの組み込みに入ります。

組み込みの注意点は、
本組みの時には、縁ゴムや、マウスガードの内装は接着しますし、耳から首にかけてのパットは、樹脂部分に固定用の穴を開ける必要がありますので、いきなり本番という訳には行きません。
なので、実際には、1度仮組みしておき、位置の確認や、出来る作業を処理し、本番の組み込みの際に不具合がおきない様にしておく方が無難です。

画像のパーツは、仮組み後、準備を済ませ、取り外した状態です。


b0152341_1474526.jpg実際に組み込みに入ります。
最も組み込み難いのが、この発砲スチロールのパーツです。

画像の番号順に、
1.シェルに対して真横に入れます。

2.それを斜めに廻し込むようにしながら押し込んで行きます。

3.前の作業を、帽体が正面に向くまで行います。

4.正面に向いたら、後は、まっすぐ押し込むだけです。

分かり辛い時は、画像をクリックすれば、多少大きな表示が出来るので、確認してみて下さい。

b0152341_1485116.jpg

発砲スチロール組み込み後、ストラップとイヤーパットの両方を固定する為に、ボルトを取り付けて置きます。
外装側は、ローゼットワッシャを使い皿ネジを固定、内側は、ナットで固定しました。






実際には、オリジナルは、カシメて取り付けられていますが、後のメンテナンス性も考えて、あえてネジ留めを選択しています。


b0152341_1495666.jpg帽体の組み込みと言う、最大の難関が終了しましたので、後は、簡単です。

シェルと発砲スチロールの帽体の隙間に、イヤーパットの樹脂パーツの部分を差し込む様にはめます。

帽体は、接着しません、このイヤーパットで固定する感じになりますので、1番シックリする所を探します。

仮組みの時にキッチリ位置決めしておき、固定用のボルトを通す穴を開けて置きます。

その穴に、固定用のボルトを通して、その上から、ストラップの取り付け金具をはめ込み、押さえつける様に取り付けます。






後は、その部分を、ナットで固定すれば、内装の組み込みは、ほとんど完了したことになります。

b0152341_1505032.jpg




最後にマウスガードの内装を貼り付ければ、組み込み終了です。

b0152341_1524982.jpg




以上で、内装リペアの完成です。

b0152341_154557.jpg続いて、外装です。

塗装の為、あらかじめ外しておいた縁ゴム等を取り付けます。

この際は、前にも書いていますが接着剤で取り付けた方が良いと思います。

今回は、外装パーツのシールドもオリジナルの物では在りませんでしたので、ネットでM30用のレプリカシールドの新品を注文していましたので、そちらを取り付けます。



b0152341_1552248.jpg取り付け方は、E型クランプで固定すると言う単純な方法ですが、E型クランプの組み込みは、なかなか面倒です。


ペンチ類で、出来ないことはありませんが、傷だらけになるかも知れませんので、私は、専用工具を使用しました。



専用工具ですと、広げながら取り付けられますので、いたって簡単です。



個人的には、専用工具の使用をお勧めします。

b0152341_1562178.jpgあとは、自作のデカールを貼り付ければ完成です。
先に紹介した様に作成したメインロゴと規格表示のデータを、インクジェットプリンタ用のフイルムラベル用紙に印刷します。
そのままでは、プリントした面が弱いので、私は、透明なフイルムテープを貼って保護して使用しています。
最近は、ステッカー用と言うプリント用ラベルもあり、私も使用したことがありますが、確かに出来上がりは、綺麗なのですが、プリント面にUVカットフイルムを貼る為、厚くなってしまいます。
経験上、厚手の物は、ヘルメットの様な曲面の物への貼り付けは、あまり適当ではないので、この方法を取っています。

b0152341_1571888.jpgでは、完成品の、お披露目です。























塗装をすると、最低でも1週間ほど必要になってしまいますが、内装のリペアだけならば、慣れてくれば、1日で十分事足りるようになりますので、お気に入りのヘルメットがあるが、内装がヘタって使えないとか、古いけど、捨てられない等の方は、チャレンジしてみるのも悪くないと思います。








最後になりましたが、当然ですが、内装をリペアしたからと言って、30年前のヘルメットに新品の安全性が戻ってくるわけではありません。

どちらかと言うと危険ですので、公道での着用は、お勧めしません。

使用に関しては、あくまで、自己責任と言うことになりますので、ご注意下さい。








以上で、
SIMPSON MODEL30 HELMETのリペア作業は、終了です。
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by custom-junkie | 2008-12-14 23:55 | SIMPSON M30 | Comments(0)
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