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FOR MOTORCYCLE USERS -------------主に、ヴィンテージ・ヘルメット関連
by Custom-Junkie
BELL MOTOⅢ リペア
リペアするのは、BELL MOTOⅢと言う'70~’80年代のオフロードヘルメットです。
これが、今回使用するもので、70年代物の最初期型で、スモールシェルを使用したタイプです。
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内外装とも、年代物にしては、綺麗な方だと思います。なので今回、内装に関しては、生地を再利用した、極力手間の掛からないリペアを、行いたいと思います。

外装は、塗装面にクラックがありますので、今回も再塗装する事にしました。

では、バラシ作業からです。
この年代の物は、ほとんどイヤーパットの固定を外せば内装も外れるようになっており、同時にチンストラップの固定とイヤーパットの固定も、同じリベットでされている事が多いようです。
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何時もの様に、ドリルで削り落として外します。
後のパーツは、簡単に取れると思いますが、稀に接着されている場合がありますので、その場合は、発泡スチロールの帽体等、出来るだけ傷めない様にして、外してください。
私の場合、帽体の接着が生きている際は、スパチュラというステンレス製の薄いヘラを使い、シェルと帽体の間に入れて、少しずつ剥離させて行きます。
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かなり黄ばんで汚いですが、生地はしっかりしているので、2.3日つけ置き後、洗濯します。
この時どうしても綺麗にならなければ、内装の生地から作り直すしか無いと思います。
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では、外した内装のリペアに入ります。
まず、イヤーパットからです。
左上;外した直後の物。
右上;つけ置き後、洗濯した物。
右下;切り出したスポンジ。
左下;スポンジをはめ込んだイヤーパット。
洗濯した物が、かなり綺麗になっているのがお判り頂けると思います。
それに内装生地を作り直す必要が無いので、スポンジを切り出して、生地に取り付けるだけでイヤーパットのリペアが終了しました。

次に帽体の部分の内装パットの製作です。
発泡スチロールの帽体から型を取り、ある程度の想像でスポンジを切り出しました。
形は、画像を参考にして下さい。
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そのスポンジを、洗濯した生地に画像の様に組み込み、外周の上の部分を、ぐるりと一周縫い付けます。オリジナルが、この方法を取ってあったので、同じにしておきました。
あとは、このパーツを帽体に取り付けますが、その前に、このMOTOⅢスモールシェルの上に欧米人用で、日本人には側頭部が狭すぎます。
という事で、自分用なので、思い切って帽体の側頭部を削りこみました。
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帽体の加工を済ませ、内装のパットを取り付けに入ります。
まず、帽体の外周に薄くボンドを塗っておきます。そこに、内側から外側に向かって、出来るだけ皺が出来ない様に引っ張りながら、パットの生地を貼り付けます。

あとは、マチ張りにて固定、乾燥を待つのみです。

あっけ無いですが、これで内装は、ほぼ完成です。
やはり、生地の再利用するのとしないのとでは、かなり時間に差が出て来る様です。

塗装作業は、M30リペアの際に説明した作業と何ら変わりは無いので割愛させて頂きますが、1点だけ前回と違う点があります、外装のパーツ類は、スナップボタンに至るまで全て取り外しました。
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手間は掛かりますが、塗装の仕上がりは、格段に良くなる筈です。

では、塗装工程は飛ばしまして、内装の組み込みから再開します。

オリジナルがボロボロでしたので、今回唯一チンガードの内装パーツは、類似素材にて再製作し、アルミメッシュを貼り付けました。
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帽体は、M30と違い、比較的簡単に組み込めます。やり方自体は、M30と同様です。
今回、チンストラップの金具の錆が酷かった為、サンドブラストで錆落しをしておきました。
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外装パーツのスナップはリベツト止め、ストラップの固定は、M30同様ローゼットワッシャと皿ネジにて固定しました。
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これで、内装の組み込みは全て完了。
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また、デカールもM30同様にして製作し、貼り付け、全リペア工程の完了です。
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以上で、MOTOⅢのリペアは、終了です。

ですが、せっかくリペアしましたが、ペイントしたいと思います。

突然の思いつきで、単色ばかりではつまらないと思い、少しばかりペイントを施して見たいと思います。
かと言って、プロではありませんので、比較的簡単に出来て、それっぽく見えると言うことで、フレアパターンのペイントで行く事にしました。

個人的に、派手な物は好みではない為、おとなし目の色の組み合わせで、ペイントしたいと思います。
今回は、ベースに白、フレアにパールホワイト、輪郭にシルバーを選択しました。

ベース色の塗装ですが、今までの単色塗りの時と同じ作業なので割愛させて頂きます。

ベースカラー乾燥後のマスキング作業ですが、ここが1番手間と暇がかかる作業です。
ここの出来次第で、ペイントの成否が決まると言っても過言では、ありません。

以下の画像のパターンは、あくまで参考例ですので、パターンやカラーは、自由に選択してください。
私は、フリーハンドでマスキングしましたが、左右対称にするのは、難しいので、型紙を製作してマスキングする方が良いと思います。

また、フレアパターンは、曲線の組み合わせですので、小さい曲線でも貼れる模型用のマスキングテープを使用しました。
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私は、その場で調整しながらマスキング作業をした為、左右非対称になってしまいましたが、これも素人塗りの味と言うことにしておきます。

マスキングが完了しましたら、フレアパターンのパールホワイトを塗装します。

この時、フレアの模様を引き立てる為に、模型用のエアブラシを使用して、フレアパターンの輪郭に沿って、シルバーを吹き付けておきました。

この輪郭塗装は、やってもやらなくても可。

この後、完全に乾燥させてマスキングを剥がすと、塗装の剥げ等を引き起こす場合がある為、触っても塗料が着かない程度乾燥したらマスキングを外します。
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マスキングを外すと画像の様にバリが出る事がありますが、クリア前にペーパーで面を整えるので、この程度は、全く問題ありません。
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耐水ペーパーの1500番~3000番程度、最終的にコンパウンド目で面を整えていくと画像のような状態になります。
この後、クリアの塗装になりますが、この時点で、輪郭に塗装したシルバーが薄っすらと見えると思います。
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クリア塗装が完了した状態ですが、ここまで来ると、輪郭のシルバーが効いて、フレアパターンが際立って見えると思います。

普通フレアパターンでは、輪郭に、反対色等のもっと目立つ色を塗るのが一般的ですが、今回は、あくまでおとなし目のフレアがコンセプトですので、類似色を使用しました。

最後に、塗装の為に外したパーツ類を取り付け、デカールを貼れば完成です。
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この程度でしたら、1回のマスキングで塗装可能ですので、落ち着いて作業すれば、それ程、難しくは無いと思います。

以上で、BELL MOTOⅢのリペアとペイントの全工程終了です。
by custom-junkie | 2008-12-15 00:09 | BELL MOTOⅢ
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